|
|
臓器線維症や動脈粥状硬化症などの慢性炎症に起因する疾患と、骨・関節組織や神経系の変性疾患における共通病態として、細胞外マトリックスの質的ならびに量的異常が挙げられます。細胞外マトリックスは、単に組織や臓器形態の保持にとどまらず、全身の細胞の発生・分化・増殖・老化に深く関わっていますが、その変容と修復の機序について臓器横断的に系統的研究を行う専門施設はこれまで国内外に存在しませんでした。
こうした背景を鑑み、本学では、マトリックスの異常をきたす疾患の研究と診療に従事する学内の専門家と、疾患モデル動物の作出や病態評価系の確立に関わる遺伝子工学研究者を集約した一大研究拠点として、マトリックス医学生物学センターを開設しました。
本センターにおいては、内的(加齢、酸化ストレス、代謝、免疫)あるいは外的(感染、環境中物質、薬剤、加重)な細胞ストレスが加わった際の生体反応としての炎症と組織修復、さらにそれが破綻することで生じる臓器線維症や組織変性疾患について、その病態解明により診断・治療法の開発に繋げることを目的としています。
本センターを中心とするプロジェクト「臓器線維症の病態解明と新たな診断・予防・治療法のための拠点形成」は、2015年度の文部科学省私立大学戦略的研究基盤形成支援事業の採択を受けました(2015〜2019年度)。その成果をもとに、日本医療研究開発機構(AMED)の肝炎等克服緊急対策事業(2018〜2020年度)、2020年度以降に同機構の橋渡し研究戦略的推進プログラムから計3件、さらに2022年度から再び肝炎等克服緊急対策事業(2022〜2024年度)、創薬ブースター支援事業(2023年度)の助成を受けて、学内外の研究者と一丸となって取り組んでいます。
|
|
|
|