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病気へのかかりやすさや薬剤への応答性などの「体質」には個人差があり、それを決定しているのはゲノムの個人差です。最近の研究によると、ヒトのゲノムの30億塩基のうち6億か所以上にゲノムの個人差である変異が認められ、その一部が体質にも影響しています。一方で、「体質」には運動や食事などの生活習慣や感染微生物などの環境(外的)要因も深く関係しています。ゲノムの個人差と環境要因が複雑に作用して、わたしたちの体質を決めているわけです。ゲノム医学研究は、これらの疾患に関わる要因をひとつひとつ科学的に明らかにして、病気の新しい治療法や予防法の開発を進めることを目的としています。
そこで本センターでは、ゲノムやトランスクリプトーム、プロテオーム、メタボロームなどのオミックス情報を計算機で解析する「生命情報学」による疾患研究に取り組み、大量データの解析を行っています。たとえば、疾患感受性を規定するゲノム多型のデータベース開発や、これを用いた個人の疾患リスク予測の技術開発を行っています。また、統計学と機械学習を使ったゲノム・ビッグデータの情報解析や、感染症診断のためのゲノム解析システムの開発も推進しています。さらに、ゲノム多型解析に基づく日本人集団の地域差の研究や、免疫応答に深く関わるHLA遺伝子の多様性と機能の研究にも取り組んでいます。
本センターは医学だけでなく、遺伝学、統計学、生命情報学のプロフェッショナルが一丸となって日夜研究を重ねており、近い将来にはゲノムと環境要因の迅速かつ精密な測定を通じて、個人の体質に応じた個別化医療や予防医療が実現できるようになると確信しています。
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