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がんは日本人の死亡原因の第一位であり、その撲滅は国民の悲願といえます。一部の腫瘍は近年の分子標的薬の開発により予後の改善が認められていますが、多くの進行がんは有効な治療法がなく治療法の開発が望まれています。
がんの維持と進展には、がん幹細胞及びそのニッチが重要な役割を果たしていることが明らかとなってきました。本プロジェクトでは、がん幹細胞ニッチを標的とした新規治療法の開発を集約的に行うとともに、若手がん研究者の育成を図ります。
学内のがん研究、幹細胞ニッチ、血管新生の専門家を集約した「がん幹細胞ニッチ研究センター」を新設し、研究および若手研究者の育成の拠点とします。1)造血腫瘍、2)乳癌骨転移、3)婦人科癌、4)消化器癌と血管ニッチ、5)Notch ligand、これらを研究テーマとするグループを構成し、相互に連携をとりながら全体の研究計画を遂行します。グループには医学部内の血液・腫瘍内科学、乳腺外科学、消化器外科学、婦人科学、分子生命科学、免疫学などの研究者が研究の遂行にあたり、さらに大学院生、奨励研究員等の若手研究者の育成にも取り組んでいきます。
具体的テーマとして、1)がん幹細胞のニッチからの離脱を促すPAI-1阻害薬の開発、2)ニッチ構成分子であるNotch ligandを標的とした創薬、3)新規がん幹細胞分子を標的としたペプチドワクチン療法の開発、4)新規治療標的分子の探索を設定します。本研究で創出される新規治療はがんの治癒、進展の制御によりQOLを向上し、国民の健康福祉に貢献していきます。
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