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近年の大規模なゲノム解析研究により、ヒトゲノムが有する多様性の全体像が明らかになりつつあります。しかしながら、各種遺伝要因がヒトの形質や疾患の発症にどのように影響を与えているのかに関しては明らかとなっていないことも多く、特に疾患に関しては、将来的な治療法の確立につなげるために、遺伝要因に基づく発症や病態の分子機序の解明が強く求められています。
発生工学と遺伝子工学を駆使してヒト疾患解析モデルとしての遺伝子改変動物を開発し、ヒト疾患の遺伝要因と発症分子機序、および治療法を追究して行くことは非常に普遍的な研究スタイルとなっています。本センターでは、これらのモデル動物を開発・応用することで、他のセンターとも連携して病気の原因や病態の成り立ちを分子レベルで解明し、創薬に向けての前臨床試験を効率的に行なうことを目標の一つとしています。
遺伝子改変動物の作製を可能とするインフラとしては、文部科学省によるハイテク・リサーチ・センター整備事業(1999年度?2008年度)の援助を受けて設立された遺伝子工学実験動物研究センターを基盤としており、続く私立大学戦略的研究基盤形成支援事業(2009年度?2013年度)の援助のもとに、トランスジェニックマウス、ノックアウトマウス、ノックインマウスなどの各種遺伝子改変動物を次々と開発してきました。
また、いち早く最先端のゲノム編集技術も取り入れ、より理想的なヒト疾患モデルを開発するための新規技術の開発や応用にも力を注いでおり、東海大学発の遺伝子改変動物作製手法の開発にも成功しています。これらの独自の手法も活用し、他のセンターと連携しつつ骨格系、神経系、免疫系、消化器系などを含めた多岐にわたる分野の疾患を対象として優れた疾患解析モデルを作出していくことで、研究力の底上げと医学への貢献を目指していきます。意欲ある若手研究者や学生さんの参画を歓迎します。
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