総合大学の利点を活かし、より多様化する社会のニーズに応えられる医療人の育成


東海大学・医学部長
森 正樹 教授
東海大学医学部医学科には「”科学とヒューマニズムの融和”の精神に則り、社会的役割を認識し、人に対する尊厳を忘れない人間性豊かな『良医』を育成する」という教育目標のもと、1988年に教育開発組織として設立された教育計画部が中心となって取り組んできた教育システムがあり、日本の医学教育へ大きな影響を与え続けています。例えば、我が国初のクリニカルクラークシップ(診療参加型臨床実習)の導入をはじめ、充実した海外留学制度、模擬患者(SP)の活用によるPBL(問題解決型学習)、Advanced OSCE、スキル・クリニックの運営など、時代を先行した発想が創り出したもので、時代を先どりしてきました。

さらに、他の医学系大学では類をみない、本学の斬新的な取り組みのひとつとして、大幅な編入学枠を設けていることがあげられ、入学後にさまざまな背景・文化を有する学生同士が互いに刺激し合いながら、社会性や人間性を磨ける環境を実現しています。

学生の間に国際交流を行うことを積極的に奨励しています。先方との学生交流は米国、イギリス、デンマーク、韓国、タイなどの大学と行なっており、日本からみた外国、逆に外国からみた日本の理解に役立っています。

そして、2018年4月、健康科学部看護学科が、本学の戦略的改組によって、医学部看護学科として新たな一歩を踏み出しました。拡大する看護ニーズに対応するために、基礎的な医学知識の充実と看護の専門科目の連携を強化するとともに、今後はさらに医学看護連携教育体制を整備し、医療人として互いへの理解を深め、有機的なチーム医療を実現するためのカリキュラムを積極的に導入していっています。昨今の新型コロナ感染症の蔓延はチーム医療の重要性を明確に示しています。

本学では死因の上位を占めるがん、心疾患、脳血管疾患、肺炎などの診療に高度なレベルで傾注するとともに、災害・防災医療、スポーツ医学などの分野でも世界最高を目指して始動しています。

今後、人工知能や情報通信といった領域からの積極的な介入によって、保健・医療はさらに先進化、多様化したニーズが高まると予測される中、本学は、総合大学であるスケールメリットを最大限に活かし、工学系、情報通信系に加え、人文・社会科学系の学部とも密接な連携を図り、保健・医療領域へ多大な貢献を果たせる医療人、そして世界の医療を支える人材の育成に努めていきます。


東海大学医学部 医学科・看護学科
Tokai University School of Medicine
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